風邪と市販薬、抗生物質 日刊ゲンダイ

11月に取材をいただき、風邪の時の市販薬や抗生物質に関してコメントさせていただきました。
風邪の80-90%はウイルス、10-20%は細菌です。ウイルスには抗生物質は効きません。
風邪で内科や耳鼻科を受診するとすぐに抗生物質が処方されると思われるかもしれませんが、残念ながら、間違いです。インフルエンザウイルスには抗生物質でなく、タミフル、リレンザ、イナビルを処方します。エボラ出血熱ウイルスには抗ウイルス薬を開発中です。ウイルスには抗生物質は効かず、細菌にのみ抗生物質は有効です。風邪でも、細菌感染となった際には、黄色や緑の鼻汁や喀痰がでること、高熱がでること、副鼻腔炎を生じることなどがあり、こうなると抗生物質は有効です。日本呼吸器学会では抗生物質の乱用を危惧しております。耐性菌の心配もあります。
ノドが痛いだけでは抗生物質は不要です。
風邪薬はどうか。処方薬でも市販薬でも風邪薬は解熱剤や咳止めなどの成分であり、対症療法です。ウイルスをやっつける根本治療ではありません。仕事に行かないといけないなど、必要時に最低限内服していただければと思います。
風邪は寝て治すのです。米国からでた報告を御紹介させていただきます。風邪のウイルスを鼻に曝露し、睡眠時間によって風邪が発症するかどうか、検討しておりました。5時間睡眠の人は、7時間睡眠の人よりも4倍風邪を発症しておりました。やはり、風邪は寝て治していただければと思います。

12月5日